薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 理論問題 - 問 149
我が国の医薬分業について正しいのはどれか。2つ選べ。
1 いわゆる医薬分業率とは、全患者のうち投薬が必要とされた患者への処方件数に対する院外処方箋枚数の割合である。
2 都道府県による医薬分業率の地域差は、令和元年(2019年)以降認められなくなった。
3 かかりつけ薬局において薬歴管理を行うことにより、重複投薬や相互作用の有無の確認ができ、薬物療法の有効性・安全性の向上が期待される。
4 西洋の医療制度が導入された明治2年(1869年)を医薬分業元年として、急速に分業が進んだ。
5 医師は、患者に必要な医薬品を病院・診療所にある医薬品に限定されることなく処方することができる。
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解答 3、5
1 誤
いわゆる医薬分業率は、全患者ではなく、外来患者への投薬のための処方件数に対する薬局への処方箋枚数(院外処方箋枚数)の割合であり、以下の計算式で表される。

2 誤
都道府県による医薬分業率の地域差は、令和元年(2019年)以降も認められる。令和5年度においては、最高県が約90%であるのに対して、最低県では約60%である。
3 正
かかりつけ薬局とは、複数の医療機関で交付された同一患者の処方箋のすべてを1ヶ所で調剤し、服用薬剤等の情報を一元管理する薬局のことである。患者がかかりつけ薬局を利用することで、薬剤管理による重複投与、相互作用の有無の確認などができ、薬物療法の有効性・安全性が向上する。
4 誤
日本で医薬分業が法制化されたのは、1874年(明治7年)の医制の制定であるが、処方箋の交付が進まなかった等の理由により急速な普及には至らなかった。実際に医薬分業の流れが急速に高まった要因は、1974年の診療報酬改定による処方箋料の大幅な引き上げであり、その後も薬価改正や処方箋料の引き上げが行われた。1974年には0.6%だった処方箋受取率が、1998年には30%を超え、2018年では74.0%と7割を超え、令和5年度においては全国平均約80%となっている。
5 正
医師は病院・診療所の医薬品の在庫に限定されない最善の処方が可能となることが、医薬分業のメリットの1つである。
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