薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 理論問題 - 問 160
呼吸器系に作用する薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 オキシメテバノールは、オピオイド受容体を刺激して、鎮咳作用を示す。
2 L−カルボシステインは、構造中にSH基を有し、ムコタンパク質のペプチド鎖の連結を切断して、去痰作用を示す。
3 フルマゼニルは、末梢性化学受容器を刺激して、間接的に呼吸中枢を興奮させる。
4 ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝物であり、肺サーファクタント分泌を促進する。
5 ニンテダニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)及び血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のチロシンキナーゼを阻害して、肺の線維化を抑制する。
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解答 1、5
1 正
オキシメテバノールは、麻薬性鎮咳薬であり、オピオイド受容体を刺激して、鎮咳作用を示す。
2 誤
L−カルボシステインは、構造中にSH基を有さず、ムコタンパク質の構成成分であるシアル酸、フコースのバランスを改善して、去痰作用を示す。なお、構造中にSH基を有し、ムコタンパク質のペプチド鎖の連結を切断して、去痰作用を示す薬剤は、アセチルシステインなどである。
3 誤
フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体に結合して、ベンゾジアゼピン系薬の作用に拮抗することで、呼吸抑制を改善する。なお、末梢性化学受容器を刺激して、間接的に延髄呼吸中枢を興奮させる薬剤は、ドキサプラムである。
4 誤
アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタント分泌の促進、線毛運動の亢進により、去痰作用を示す。
5 正
ニンテダニブは、低分子チロシンキナーゼ阻害薬であり、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)及び血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のチロシンキナーゼを阻害して、肺の線維化を抑制する。
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解説動画1 ( 09:27 )
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