薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 理論問題 - 問 179
薬物の溶解性を高める製剤的手法に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 微粉化により、比表面積を小さくする。
2 シクロデキストリンにより、ミセルを形成させる。
3 水と混和する有機溶媒を添加して、溶媒の極性を変化させる。
4 結晶性薬物の場合、非晶質化して熱力学的に安定化させる。
5 テオフィリンの場合、エチレンジアミンと複合体を形成させる。
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解答 3、5
1 誤
微粉化により粒子径は小さくなり、比表面積を大きくすることで、薬物の溶解速度を高めることができる。
2 誤
シクロデキストリンによる包接化により、難溶性薬物の溶解性を高めることができる。なお、界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やポリソルベート80により、ミセルを形成することでも、難溶性薬物の溶解性を高めることができる。
3 正
薬物が単独の水に溶けにくい場合、エタノールなどの有機溶媒(コソルベント)を添加することで、難溶性薬物の溶解性を高めることができる。この現象をコソルベンシーという。
4 誤
結晶性薬物の場合、非晶質化して熱力学的に不安定化することにより、薬物の溶解性を高めることができる。
5 正
テオフィリンの場合、エチレンジアミンと可溶性の複合体を形成することにより、溶解性を高めることができる。
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解説動画1 ( 13:09 )
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