薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 理論問題 - 問 180
分散系医薬品と製剤の種類(投与時)との組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

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解答 1、4
1 正
ドキシル注20 mg(ドキソルビシン塩酸塩)は、水溶性のポリエチレングリコール(MPEG−DSPE)で修飾された脂質二重層にドキソルビシン塩酸塩を封入したステルスリポソーム製剤である。ステルスリポソーム製剤は、通常のリポソーム製剤と同様にドラッグキャリアとして標的部位に薬物を送達する機能に加え、MPEG−DSPEで修飾することにより周囲に水和層を形成し、マクロファージなどの細網内皮系に捕捉されにくくなり、血中滞留性が向上している。
2 誤
ネオーラル内用液10%(シクロスポリン)は、自己乳化型マイクロエマルション製剤である。自己乳化型マイクロエマルションにすることで、従来のシクロスポリン製剤(サンディミュン内用液10%等)にみられる吸収における胆汁酸や食事の影響を少なくし、脂溶性のシクロスポリンの安定した薬物動態が得られるように改善している。なお、高分子ミセルはドラッグキャリアの1つであり、親水性ポリマーと疎水性ポリマーを結合させた共重合体から構成されたブロック共重合体が水中で会合したものである。
3 誤
リュープリン注射用1.88 mg(リュープロレリン酢酸塩)は、生体分解性高分子の乳酸・グリコール酸共重合体を基剤としたマイクロカプセルに、リュープロレリン酢酸塩を含有させた徐放性製剤である。徐放性製剤にすることで、長期間にわたり一定速度で薬物を放出できるため、連日投与による負担を軽減している。なお、多相エマルションは多重型乳剤であり、w/o型のエマルションが水相に分散したw/o/w型や、o/w型のエマルションが油相に分散したo/w/o型などがある。
4 正
フェジン静注40 mg(含糖酸化鉄)は、コロイド製剤である。コロイド製剤にすることで、静脈注射後、鉄イオンが遊離しにくいよう安定化されている。
5 誤
1%ディプリバン注(プロポフォール)は、有効成分のプロポフォールをダイズ油及び精製卵黄レシチン等からなる脂肪乳剤に溶解したエマルションである。なお、サスペンションは懸濁液を示し、液相に固相が分散して懸濁しているものである。
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解説動画1 ( 14:56 )
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