薬剤師国家試験 令和07年度 第110回 - 一般 理論問題 - 問 189
白血球減少症の病態及び治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 初期症状として、発熱や全身倦怠感がある。
2 再生不良性貧血では起こらない。
3 原因薬として、抗甲状腺薬がある。
4 治療には、エリスロポエチンが使用される。
5 放射線照射に伴う場合には、メトトレキサート大量療法が有効である。
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解答 1、3
1 正
白血球減少症では、好中球やマクロファージなどの食細胞の減少により感染症にかかりやすくなるため、初期症状として発熱や全身倦怠感がみられる。
2 誤
再生不良性貧血では、造血幹細胞の異常により全ての血球が減少(汎血球減少)するため、白血球減少症も認められる。
3 正
抗甲状腺薬(チアマゾールなど)は副作用として、白血球減少症のうち無顆粒球症を起こすことがある。
4 誤
治療には、G-CFS製剤(フィルグラスチムなど)が使用される。なお、エリスロポエチンは赤血球産生を促進する造血因子であり、腎性貧血の治療に使用される。
5 誤
メトトレキサートは骨髄抑制の副作用があり、白血球数の減少を引き起こすおそれがある。そのため、白血球減少症の治療としてメトトレキサート大量療法は行わない。なお、放射線照射に伴う白血球減少症に有効な薬剤として、結核菌熱水抽出物があげられる。本剤は、結核菌から抽出された免疫刺激物質であり、造血幹細胞に働く造血因子であるコロニー刺激因子(CSF)の内因的な誘導を促進し、放射線により障害を受けた造血機能を賦活する。
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解説動画1 ( 07:13 )
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