薬剤師国家試験 令和08年度 第111回 - 一般 実践問題 - 問 218,219
63歳女性。コンタクトレンズを使用している。パソコンを使用する仕事に従事しており、昨日から目の乾きが気になり、一般用医薬品の点眼薬を求めて薬局を訪れた。来局者が以下の点眼薬の購入を希望したため、薬剤師は聞き取りと説明を行った。
点眼薬の成分

問218(物理・化学・生物)
この来局者は目の乾きを気にしている。目と涙液に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
1 角膜は透明な組織で、角膜中に血管は存在しない。
2 結膜は眼球全体を覆う膜である。
3 涙腺は眼球の内下方(鼻に近い位置)に存在する。
4 涙液にはリゾチームが含まれており、抗菌性がある。
5 一般にドライアイでは、水晶体の水分量が減る。
問219(実務)
この来局者への点眼薬の成分に関する薬剤師の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 有効成分ヒアルロン酸ナトリウムは、涙の分泌を促進して目の乾きを改善します。
2 有効成分ヒアルロン酸ナトリウムは、高い保水力で目に潤いを与えます。
3 クロルヘキシジングルコン酸塩液が入っているため、薬液に細菌が繁殖する心配はありません。
4 クロルヘキシジングルコン酸塩液が入っているため、コンタクトレンズを使用している時の不快感が軽減されます。
5 ベンザルコニウム塩化物が入っていないため、カラーコンタクトレンズでなければコンタクトレンズをつけたままでも点眼できます。
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問218 解答 1、4
1 正
角膜は血管のない透明な光の通り道であり、外界像を眼内に取り入れる窓としての役割をもつ。また、外部刺激から眼球内部を保護する役割も併せもつ。
2 誤
結膜は、まぶたの内側から眼球前面につながる膜である。なお、眼球全体を覆う膜は強膜である。
3 誤
涙腺は、眼球の外上方に存在する。なお、眼球の内下方に存在するのは涙点であり、涙腺から分泌された涙液が眼球を巡ったのち、涙点から涙小管、涙囊、鼻涙管を経て鼻腔へ排泄される。
4 正
涙液は、約98%が水分で、残りは電解質やタンパク質、脂質、ムチンから構成される。うち、タンパク質には、主に抗菌性のあるリゾチームやラクトフェリン、免疫成分である分泌型IgAなどが含まれる。
5 誤
ドライアイは、涙液量の低下や質の変化により、涙液層の安定性が低下し、眼球表面の障害や目の不快感を生じる疾患であり、水晶体の水分量の減少は伴わない。
問219 解答 2、5
1 誤
ヒアルロン酸ナトリウムは、分子内に多数の水分子を保持することによって優れた保水性を示し、目に潤いを与えることでドライアイを改善する。なお、涙液の分泌を促進してドライアイを改善するのは、ジクアホソルナトリウムなどである。
2 正
解説1参照
3 誤
クロルヘキシジングルコン酸塩は、薬液中での微生物の繁殖を抑制する目的で添加される保存剤である。ただし、全ての微生物の繁殖を抑制できるわけではないため、薬液に細菌が繁殖する心配はないと伝えるのは適切ではない。
4 誤
解説3参照
5 正
ベンザルコニウム塩化物は、クロルヘキシジングルコン酸塩と同様、薬液中での微生物の繁殖を抑制する目的で添加される保存剤である。ただし、ベンザルコニウム塩化物は、クロルヘキシジングルコン酸塩と違い、コンタクトレンズに吸着することが知られているため、コンタクトレンズを装着したまま点眼しないよう指導する必要がある。本点眼剤にはベンザルコニウム塩化物が含まれてないため、カラーコンタクトレンズでなければコンタクトレンズをつけたままでも点眼は可能である。
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