薬剤師国家試験 令和08年度 第111回 - 一般 実践問題 - 問 329
45歳女性。20歳頃より2〜3ケ月に1回程度、閃輝暗点を伴う頭痛があり、近隣のクリニックで片頭痛と診断されていた。治療には、処方された鎮痛剤を用いていたが、数年前から症状が安定し、医師から一般用医薬品での対処で問題ないと言われた。その後、一般用医薬品で症状をコントロールできていたが、半年前から1ケ月に1〜2回の頻度で頭痛が生じ、使用回数が増えてきた。日常生活にも支障をきたすようになり、痛みの予兆があると不安で気分が落ち込むようになったため、再受診した。女性は以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

この処方薬剤に関して、薬剤師が女性に説明する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1 痛みの予兆があるときに服用すると、発作を予防できる。
2 服用しても痛みが治まらない場合は、さらに1錠追加服用する。
3 服用後は、めまいや眠気に注意する。
4 血管収縮作用による胸の痛みや圧迫感が現れることがあるので、注意する。
5 使用過多により頭痛が生じることがあるので、注意する。
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解答 3、5
本患者に処方されたラスミジタンコハク酸塩錠は、セロトニン5−HT1F受容体作動薬であり、三叉神経からのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の遊離を抑制することで、片頭痛発作を抑制する発作時治療薬である。従来の発作時治療薬であるトリプタン系薬は、セロトニン5−HT1B/1D受容体作動薬であり、血管収縮作用により片頭痛発作を寛解するが、ラスミジタンコハク酸塩錠は血管収縮作用がないため、虚血性心疾患等の心血管系疾患を有する患者にも使用可能である。
1 誤
前記参照。ラスミジタンコハク酸塩錠は、片頭痛発作時のみに使用し、予防的には使用しない。
2 誤
ラスミジタンコハク酸塩錠を投与しても、頭痛の消失には至らず継続している発作に対する追加投与の有効性は確立されてない。
3 正
ラスミジタンコハク酸塩錠投与により、眠気、めまい等があらわれることがあるので、ラスミジタンコハク酸塩錠投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意することとされている。
4 誤
前記参照。ラスミジタンコハク酸塩錠には血管収縮作用がないため、血管収縮作用に伴う胸の痛みや圧迫感に注意する必要はない。
5 正
片頭痛発作治療薬を頻回に使用すると、薬物の効果が低下し頭痛が慢性化する(薬物乱用頭痛)ことがあるため注意が必要である。
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