薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 100
脂質の二分子膜に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 両親媒性脂質の親水基どうしが向かい合わせとなった分子膜である。
2 温度が高くなると、脂質分子の回転・拡散の運動性が高まる。
3 不飽和脂肪酸鎖の二重結合が通常トランス型をとり、流動性を増大させる。
4 リポソームは、球状ミセル集合体である。
5 ゲル状態の二分子膜にコレステロールを加えると、膜の流動性が低下する。
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解答 2
1 誤
脂質の二分子膜は、両親媒性脂質であるリン脂質の疎水基どうしが向かい合わせとなった分子膜である。
2 正
脂質の二分子膜は、流動性を有しており、その流動性は温度により変化する。温度が高くなると、熱エネルギーにより脂質の二分子膜を構成している脂質分子の回転・拡散の運動性が高まるため、脂質の二分子膜の流動性も高まる。
3 誤
リン脂質に含まれる不飽和脂肪酸鎖の二重結合は通常シス型をとり、流動性を増大させる。
4 誤
リポソームとは、脂質二重層からなる閉鎖小胞のことであり、ラメラ相*の両端が結合し形成される。
ラメラ相*:脂質の疎水基どうしが向かい合わせになった平らな脂質二重層
5 誤
ゲル状態にコレステロールを加えると、脂質の二分子膜を構成する脂質の運動性が増加するため、膜の流動性が増加する。なお、液晶状態にコレステロールを加えると、脂質の二分子膜を構成する脂質の運動性が低下するため、膜の流動性が低下する。
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