薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 116
真核細胞における遺伝子の転写及びその生成物に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
1 メッセンジャーRNA(mRNA)は細胞質で合成される。
2 RNAは、1種類のRNAポリメラーゼにより合成される。
3 合成されたmRNAの5’末端にはキャップ構造が、また、3’末端にはポリAがそれぞれ付加される。
4 成熟mRNAにはイントロンが含まれる。
5 RNAポリメラーゼのプロモーターヘの結合には、基本転写因子が必要である。
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解答 3、5
1 誤
真核細胞において、メッセンジャーRNA(mRNA)は核内で合成される。なお、原核細胞において、mRNAは細胞質で合成される。
2 誤
真核細胞のRNAは、3種類のRNAポリメラーゼ(RNAポリメラーゼⅠ*1、RNAポリメラーゼⅡ*2、RNAポリメラーゼⅢ*3)により合成される。なお、原核細胞のRNAは、1種類のRNAポリメラーゼにより合成される。
RNAポリメラーゼⅠ*1:rRNA前駆体の合成に関与する
RNAポリメラーゼⅡ*2:mRNA前駆体の合成に関与する
RNAポリメラーゼⅢ*3:tRNAの合成に関与する
3 正
成熟mRNAの5’末端にはキャップ構造(7−メチルグアノシン)が、また、3’末端にはポリA(ポリアデニル酸)がそれぞれ付加される。
4 誤
mRNAの前駆体からスプライシングにより成熟mRNAが生成する際、イントロンが除去される。よって、成熟mRNAにはイントロンは含まれていない。
5 正
真核細胞のRNAポリメラーゼは直接DNA上のプロモーターを認識することができない。そのため、真核細胞のRNAポリメラーゼがDNA上のプロモーターを認識し、プロモーターに結合するためには、基本転写因子が必要である。
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