薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 138
水道原水に塩素を注入すると、塩素注入量と残留塩素濃度について図のような関係がみられた。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 aの塩素量を塩素要求量という。
2 (b-a)の塩素量を塩素消費量という。
3 純水の場合には、この原水に比べて、塩素消費量と塩素要求量が大きい。
4 aとcの間で主に検出される残留塩素は結合残留塩素である。
5 我が国の水道水消毒では、b以上の塩素量を注入する方法が用いられている。
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解答 4
図より、この水道原水には、aまで残留塩素濃度が増加していないことから還元性無機物及び有機物が含まれており、また、一時的に残留塩素濃度が低下していることからアンモニア及びアミン類を含むことがわかる。
1 誤
この水道原水には、アンモニアやアミン類を含んでいることから、aまで塩素を注入すると結合残留塩素を生じる。よって、aの塩素量を塩素消費量*という。なお、塩素要求量とは、水に塩素を注入し、初めて遊離残留塩素を認めるのに必要な塩素量であり、cの塩素量のことである。
*塩素消費量とは、水に塩素を注入し、初めて残留塩素を認めるのに必要な塩素量のことである。
2 誤
解説1参照
3 誤
純水(還元性無機物及び有機物、アンモニア及びアミン類を含まない)では、塩素を注入すると速やかに遊離残留塩素を認めるので、塩素消費量と塩素要求量はともに0である。よって、純水の場合には、この原水(還元性無機物及び有機物、アンモニアやアミン類を含む)に比べて、塩素消費量と塩素要求量は小さい。
4 正
アンモニア及びアミンを含む水に塩素を注入すると結合残留塩素を生じ、aとbの間では、塩素注入によって残留塩素濃度は増加し、bとcの間では、塩素注入によって結合残留塩素の分解が生じるため、残留塩素濃度は減少する。
5 誤
我が国の水道水消毒では、c以上の塩素量を注入する方法が用いられている。この方法を不連続点塩素処理法という。
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