薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 140
PRTR制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 産業廃棄物の不法投棄を防止するためのものである。
2 PRTR法で定められている第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質は、ともにPRTR制度の対象である。
3 対象化学物質の届出排出先として、事業所における埋立処分の割合が最も大きい。
4 国際的な対応として、バーゼル条約が発効している。
5 対象化学物質のうち、届出排出量・移動量が最も多い化学物質はトルエンである。
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解答 5
PRTR制度とは、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質が、事業所から環境(大気、水、土壌)へ排出される量及び廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量を、事業者が自ら把握し国に届け出をし、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計・公表する制度であり、PRTR法により制定されている。
1 誤
産業廃棄物の不法投棄を防止するためのものは、マニフェスト制度である。
2 誤
PRTR法で定められている第一種指定化学物質*及び第二種指定化学物質*のうち、第一種指定化学物質のみが、PRTR制度の対象である。
*第一種指定化学物質
人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在すると認められる物質として、計462物質(ベンゼン、アスベスト、ダイオキシン類など)が指定されている。
*第二種指定化学物質
人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、将来的に環境中に広く存在する可能性がある物質として、計100物質(ブロモホルム、フェノールフタレイン、プロピルチオウラシルなど)が指定されている。
3 誤
対象化学物質の届出排出先として、大気への排出、公共水域への排出、土壌への排出、事業所内での埋立処分がある。このうち、割合が最も大きいのは、大気への排出である。
4 誤
PRTR制度における国際的な対応としては、1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21があり、PRTR制度の導入、推進が国際的に合意されている。なお、バーゼル条約は、一定の有害廃棄物の国境を越える移動などについて規制している。
5 正
対象化学物質には、ベンゼンやトルエンなどの揮発性炭化水素、ダイオキシンやトリクロロエチレンなどの有機塩素系化合物などがあるが、そのうち、届出排出量・移動量が最も多い化学物質はトルエンである。
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