薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 163
非ステロイド性抗炎症薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 メロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)よりCOX-1に対して強い阻害作用を有し、胃腸障害を起こしやすい。
2 アスピリンは、COX-2をアセチル化により選択的に阻害するため、胃粘膜刺激作用は弱いが、ぜん息発作を誘発することがある。
3 ジクロフェナクは、強い抗炎症作用を有するが、中枢性の副作用は極めて弱い。
4 メフェナム酸は、生体内で活性型に代謝され、COX-2を選択的に阻害する。
5 セレコキシブは、COX-1とCOX-2に対し強い阻害作用を有し、心血管障害を起こしやすい。
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解答 3
1 誤
メロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)よりCOX-2に対して強い阻害作用をもつため、COX-1阻害作用に起因した胃腸障害を起こしにくい。
2 誤
アスピリンは、非選択的にCOXを阻害するため、副作用として胃腸障害が問題となる。また、COX阻害によりリポキシゲナーゼ経路が亢進し、ロイコトリエン生成が増加することでぜん息発作を誘発することがある(アスピリンぜん息)。
3 正
ジクロフェナクは、強い抗炎症作用を有するが、中枢性の副作用は弱い。しかし、インフルエンザ脳炎・脳症との関連性などが指摘されており、小児のインフルエンザに伴う発熱には禁忌であるなど、中枢性の副作用も一部問題視されているため、注意が必要である。
4 誤
メフェナム酸は、プロドラッグではなく、未変化体が非選択的にCOXを阻害する。
5 誤
セレコキシブは、COX-1よりCOX-2を強く阻害するため、胃腸障害などの副作用を起こしにくい。しかし、心血管障害のリスクを増大させるという報告もあり、長期使用により心筋梗塞や脳卒中などの発現リスクが高まる恐れがある。
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