薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 187
乳癌の治療に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 トラスツズマブは、HER2(human epidermal growth factor receptor type 2)が過剰発現している転移性乳癌に用いられる。
2 ゴセレリン酢酸塩は、骨塩量の低下を引き起こす。
3 アナストロゾールは、閉経前乳癌の治療に用いられる。
4 タモキシフェンクエン酸塩は、子宮体癌のリスクを増大させる。
5 パミドロン酸二ナトリウム水和物は、骨転移をきたした場合に用いられる。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 3
1 正しい
トラスツズマブは、抗HER2モノクローナル抗体であり、HER2が過剰発現している転移性乳癌や、切除不能な進行・再発胃癌に用いられる。
2 正しい
ゴセレリン酢酸塩は、性腺刺激ホルモン誘導体であり、頻回投与によりエストロゲンの分泌を抑制するため副作用として骨塩量の低下を起こすことがある。
3 誤っている
アナストロゾールは、アロマターゼ阻害薬であり、脂肪組織におけるアンドロゲンからエストロゲンの生成を阻害するため、閉経後乳癌に用いられる。
4 正しい
タモキシフェンクエン酸塩は、子宮内膜のエストロゲン受容体を刺激するため、子宮内膜症や子宮体癌のリスクを増大させる。
5 正しい
乳癌の骨転移では、破骨細胞が活性化し、骨密度が低下することがある。パミドロン酸二ナトリウム水和物は、ビスホスホネート製剤であり、破骨細胞に作用し骨吸収を抑制するため、乳癌の骨転移に用いられる。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿