薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 実践問題 - 問 280,281
外科病棟の看護師から医薬品情報管理室に「HIV感染患者の血液が付着した金属製の作業台の消毒に何を用いたらよいか」と問い合わせがあった。
問280(実務)
適切な消毒剤はどれか。1つ選べ。
1 消毒用エタノール
2 1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液
3 10%ポビドンヨード水溶液
4 0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩水溶液
5 0.05%ベンザルコニウム塩化物水溶液
問281(薬剤)
消毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することをいう。
2 消毒法は、化学薬剤を用いる化学的消毒法と、湿熱や紫外線などを用いる物理的消毒法に分けられる。
3 消毒剤は、一般に20℃以上で使用し、定められた接触時間を守る必要がある。
4 エンドトキシンを不活化できる。
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問280 解答 1
1 正
消毒用エタノールは、HIVに有効であり、金属製の作業台の消毒に用いることができる。
2 誤
1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、HIVに有効であるが、酸化作用を有するため金属製の作業台の消毒に用いることはできない。
3 誤
10%ポビドンヨード水溶液は、HIVに有効であるが、酸化作用を有するため金属製の作業台の消毒に用いることはできない。
4 誤
0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩水溶液は、HIVに無効である。
5 誤
0.05%ベンザルコニウム塩化物水溶液は、HIVに無効である。
問281 解答 2、3
1 誤
消毒とは、物質中の病原性を示す微生物を殺滅または除去することで、感染能力を失わせることである。なお、物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することを滅菌という。
2 正
消毒法は、化学薬剤を用いる化学的消毒法と、湿熱や紫外線などを用いる物理的消毒法に分けられる。化学的消毒法では、化学薬剤(消毒剤)を用いて微生物を殺滅し、物理的消毒法では、紫外線や熱水、蒸気などを用いて微生物を殺滅する。
3 正
消毒剤の効果は、作用温度と作用時間の影響を受ける。一般に温度が低いほど消毒剤の効果が減弱するため、消毒剤は20℃前後で使用することが望ましい。
4 誤
エンドトキシンは発熱性物質であり、消毒により不活化することはできない。
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