薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 112
図は、ある内分泌器官の顕微鏡像をスケッチしたものである。この器官に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 A層から分泌されるホルモンは、腎臓に作用してNa+や水の再吸収を促進し、体液を保持する。
2 B層から分泌されるホルモンには、抗炎症作用、免疫抑制作用がある。
3 C層から分泌される主要なホルモンは、ペプチドホルモンである。
4 皮質の機能が亢進するとアジソン病になる。
5 髄質を支配する交感神経終末からは、ノルアドレナリンが放出される。
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解答 1、2
図の内分泌器官は副腎であり、A層は副腎皮質球状層、B層は副腎皮質束状層、C層は副腎皮質網状層である。A層からは鉱質コルチコイドであるアルドステロン、B層からは糖質コルチコイドであるヒドロコルチゾン、C層からは男性ホルモンであるテストステロンが分泌される。
1 正
アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管や集合管でのNa+や水の再吸収を促進し、K+分泌を促進することなどにより、体液を保持する働きをもつ。
2 正
ヒドロコルチゾンには、抗炎症作用、免疫抑制作用などのほか、タンパク異化作用、血糖上昇作用、脂肪分解促進作用などがある。
3 誤
テストステロンは性ホルモンであり、ステロイドホルモンに分類される。
4 誤
皮質の機能が亢進するとクッシング症候群となり、皮質の機能が低下するとアジソン病になる。
5 誤
髄質は交感神経節前線維により直接支配され、節前線維はコリン作動性神経であり、アセチルコリンが放出される。アセチルコリンが副腎髄質に存在するニコチンNN受容体に結合することで、副腎髄質からノルアドレナリン及びアドレナリンが放出される。
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