薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 116
核酸及び遺伝情報に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 DNAの塩基の構成比率を調べたところ、グアニンとシトシンの和が40%であった。このDNAはアデニンとチミンをそれぞれ30%含むと推定される。
2 核酸の構成単位であるヌクレオチドは、塩基、ヘキソース及びリン酸から成る。
3 DNAの熱変性は、分子内ホスホジエステル結合の加水分解による。
4 遺伝情報は、DNAからmRNAに転写され、その情報をもとにタンパク質が合成される。
5 64種類のコドンのうち、対応するアミノ酸のないコドンは1つである。
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解答 1、4
1 正
DNAの構成塩基はアデニン、グアニン、シトシン、チミンであり、グアニンとシトシンの和が40%であった場合、残りの60%はアデニンとチミンを含む。アデニンとチミン間には水素結合が形成され、両者は1対1で存在し、その含有量は同じであるため、アデニンとチミンがそれぞれ30%含まれると推定される。なお、グアニンとシトシン間でも水素結合を形成するため、グアニンとシトシンはそれぞれ20%と推定できる。
2 誤
核酸の構成単位であるヌクレオチドは、塩基、ペントース及びリン酸から成る。
3 誤
DNAの熱変性では、塩基間の水素結合が切断されることによって、二重らせんが解けて1本鎖のポリヌクレオチドを生じる。
4 正
DNAは転写によってmRNAを生じ、mRNAの塩基配列を基にタンパク質を合成する(翻訳)。また、DNAの塩基配列を新しいDNAに写しとることを複製という。このような遺伝情報の流れをセントラルドグマという。
5 誤
1つのアミノ酸は、3つの塩基の並び方によって決まっており、この3つの塩基の並びをコドンという。コドンは、組合わせによって64種類存在するが、UAA、UAG、UGAの3種類は終止コドンと呼ばれ、対応するアミノ酸が存在しない。
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