薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 124
腸管出血性大腸菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 腸管出血性大腸菌による食中毒は、近年(2005〜2010年)の発生件数が最も多い食中毒である。
2 感染後産生されるベロ毒素が、重篤な中毒症状を起こす。
3 二次感染は起こさない。
4 腸管出血性大腸菌感染症は、新興感染症の1つである。
5 腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法(注)において、二類感染症に分類される。
(注:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)
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解答 2、4
1 誤
近年(2005年〜2010年の合計)の発生件数が多い食中毒は、カンピロバクター(2692件)やノロウイルス(2107件)である。腸管出血性大腸菌による食中毒の発生件数は143件である。
2 正
腸管出血性大腸菌が腸管内で産生するベロ毒素は、赤痢菌が産生する志賀毒素と類似しており、溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす恐れがある。
3 誤
腸管出血性大腸菌は二次感染を引き起こす可能性がある。二次感染とは、ある微生物が食品から調理器具、人の手などを汚染し、そこから他の食品を介して感染することをいう。
4 正
腸管出血性大腸菌感染症は、新興感染症の1つである。新興感染症とは、医学の進歩による新しい診断法の開発、検査技術の向上などによって認識された感染症、又は新しく認識された感染症のことである。
5 誤
腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法において三類感染症に分類される。
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