薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 128
ディフィシル菌(Clostridium difficile)による偽膜性大腸炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 本菌の不活化には、消毒用エタノールの使用が有効である。
2 糞口感染を含む接触感染により、院内感染が拡大しやすい。
3 抗菌薬の連続投与により、発症する場合がある。
4 発症を確認した場合、使用している抗菌薬の投与量を増やすことが望ましい。
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解答 2、3
ディフィシル菌は、芽胞を形成する嫌気性のグラム陽性桿菌である。主な所在は土壌中であるが、健常者の腸管内にも生息している。
1 誤
ディフィシル菌は芽胞形成菌であるため、消毒用エタノールは無効である。芽胞形成菌にはグルタラールや次亜塩素酸ナトリウム等が有効である。
2 正
ディフィシル菌感染者の便中には、ディフィシル菌が存在しているため、糞口感染を含む接触感染により、院内感染が拡大しやすい。
3 正
抗菌薬を連続投与すると、体内に常在する細菌種が他の菌種に交代し、細菌叢が著しく変化することがある。このことを菌交代現象という。菌交代現象によってディフィシル菌が増殖し、毒素を産生することによって偽膜性大腸炎を引き起こす。
4 誤
抗菌薬の連続投与によって発症することがあるので、発症した場合には、使用している抗菌薬を直ちに中止し、重症の場合にはバンコマイシンなどを投与する。
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