薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 158
虚血性心疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ジピリダモールは、アデノシンの細胞内への取り込みを促進し、冠血管を拡張させる。
2 ニトログリセリンは、静脈還流量を減少させ、心臓に対する前負荷を軽減する。
3 ビソプロロールは、心拍数と収縮力を減少させることで、心筋の酸素消費量を低下させる。
4 ニコランジルは、ATP感受性K+チャネルを遮断し、冠血管を拡張させる。
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解答 2、3
1 誤
ジピリダモールは、アデノシン増強薬であり、血中アデノシンの赤血球や血管壁などの細胞内への取り込みを抑制することで、血中アデノシン濃度を上昇させ、血管拡張作用や血小板凝集抑制作用などを示す。また、ジピリダモールの作用には、ホスホジエステラーゼ阻害作用も関与する。
2 正
ニトログリセリンは、硝酸薬であり、一酸化窒素(NO)を遊離させることで全身血管を拡張する。静脈を拡張させて、静脈還流量を減少させることで、心臓に対する前負荷を軽減する。
3 正
ビソプロロールは、選択的にアドレナリンβ1受容体を遮断し、心拍数及び収縮力を減少させ、心筋の酸素消費量を低下させる。
4 誤
ニコランジルは、硝酸薬であり、NO遊離作用を有する。また、ATP感受性K+チャネルの開口作用により細胞膜を過分極させる作用も併せもち、冠血管拡張作用に関与する。
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