薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 188
アトピー性皮膚炎及びその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 非免疫学的要因として、皮膚バリアー機能の低下がある。
2 血清IgG値が増加する。
3 アゼラスチン塩酸塩錠では、眠気をおこさない。
4 タクロリムス水和物軟膏が、使用できる。
5 重症例では、タクロリムス水和物カプセルの内服を行う。
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解答 1、4
アトピー性皮膚炎は、皮膚に炎症や痒み等の症状が増悪・寛解を繰り返しながら発症する疾患である。本疾患の多くの患者は、アレルギー性疾患の家族歴・既往歴やIgE抗体を産生しやすい体質などのアトピー素因を有する。
1 正
アトピー性皮膚炎の発症には、免疫学的機序が関与するが、その背景には、非免疫学的要因として、角質層の皮膚の保湿に関わる成分であるセラミドの減少など、皮膚バリアー機能の低下が関与している。
2 誤
アトピー性皮膚炎では、血清IgE値の増加や好酸球の増加などがみられる。
3 誤
アゼラスチンは、ヒスタミンH1受容体遮断薬であり、アトピー性皮膚炎などに用いられるが、副作用として眠気を起こすことがあるため、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意する必要がある。
4 正
タクロリムス水和物軟膏は、サイトカイン産生抑制作用、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用などをもち、これらの作用が副腎皮質ステロイド性薬より強いため、ステロイド外用剤などの既存療法では効果が不十分又は副作用によりこれらの投与ができないなど、本剤による治療がより適切と考えられる場合に使用される。
5 誤
タクロリムス水和物は、軟膏剤としてのみアトピー性皮膚炎に用いられる。
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