薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 191
造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 移植後1週間以内に好発する。
2 予防として、移植前日から免疫抑制薬注射剤の持続投与を開始する。
3 レシピエントのリンパ球がドナーの造血幹細胞を攻撃して生着不全を起こす反応である。
4 ドナーのリンパ球がレシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。
5 発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。
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解答 2、4
移植片対宿主病(GVHD)は、移植片中に含まれる臓器提供者(ドナー)のリンパ球が、臓器移植を受ける患者(レシピエント)の組織を標的として起こす拒絶反応のことである。
1 誤
GVHDは、急性と慢性に大別され、急性GVHDは移植後約2週間程度で発症することが多く、慢性GVHDは移植後3ヶ月以降に発症するものをいう。
2 正
免疫抑制薬として、シクロスポリン又はタクロリムスとメトトレキサートが併用される。シクロスポリン又はタクロリムスは、移植前日から持続静脈内投与を開始する。
3 誤
ドナーのリンパ球が、レシピエントの造血幹細胞を攻撃する(前記参照)。
4 正
前記参照。
5 誤
発症を予防するために放射線照射を行うのは、輸血後GVHDについてである。造血幹細胞移植時GVHDの予防としては、免疫抑制薬の投与等が行われる(解説2参照)。
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