薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 108
合成したインドメタシンの構造解析を1H-NMR(400 MHz、CDCl3、基準物質はTMS)によって行った。図Aは、1H-NMRスペクトルである。なお、ア〜ウ及びキのシグナルは、一重線である。構造解析結果に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。なお、カルボキシ基の水素のシグナルは図A中では観測されていない。
1 基準物質として用いられるTMSは、トリメチルシランである。
2 インドール環2位のメチル基のシグナルは、図Aのアである。
3 インドール環4位の水素のシグナルは、図Aのカである。
4 CDCl3の重水素のシグナルは、図Aのキである。
5 図Aのオのシグナルとクのシグナルは互いにカップリングしている。
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解答 2、3
図Aの各シグナルとインドメタシンに含まれるプロトンの関係を以下に示す。
1 誤
基準物質として用いられるTMSは、テトラメチルシランである。
2 正
芳香族に結合したメチル基によるシグナルは、2〜3 ppm付近に現れるため、アのシグナルは、インドール環2位のメチル基によるシグナルであると推定できる。
3 正
前記参照
4 誤
図Aのキは、溶媒として用いた重水クロロホルム(CDCl3)に含まれるクロロホルム(CHCl3)のプロトンに由来するシグナルである。よって、図Aのキは重水素に由来するシグナルではない。
なお、一般にクロロホルムのプロトンに由来するシグナルは7.2〜7.3 ppm付近に現れる。
5 誤
図Aのオのシグナルは、インドール環の7位に結合しているプロトンに由来するシグナル、クのシグナルは、ベンゼン環の3’位の1Hに由来するシグナルであると推定される。オのシグナルを示すプロトンとクのシグナルを示すプロトンは、隣接していないため、オのシグナルとクのシグナルは互いにカップリングしていないと考えられる。
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