タンパク質の遺伝子において1塩基置換型の変異が起こった結果、生合成されるタンパク質のアミノ酸1個が別のアミノ酸に変化するミスセンス変異が起こることがある。 本問では、遺伝子の1塩基置換型の変異が起こり、生合成されるタンパク質のグルタミン酸(Glu)がバリン(Val)に変化するときのDNAの塩基の置換を考えなければならない。 この問題の解き方の手順を以下に示す。 ① 遺伝子暗号表より、DNAセンス鎖におけるGluのコード、Valのコードを確認する。 ② ①で確認したコードで、1ヵ所塩基の異なる組合せを探し出す。
① 遺伝子暗号表より、DNAセンス鎖におけるGluのコード、Valのコードを確認する。 遺伝子暗号表には、mRNAにおけるアミノ酸に対応するコードが記載されており、表よりmRNAにおけるGluのコードは、GAA、GAG、Valのコードは、GUU、GUG、GUA、GUGであることがわかる。また、mRNAにおけるコードをDNAセンス鎖に置き換えると、UがTに置換するため、DNAセンス鎖におけるGluのコードは、GAA、GAG、Valのコードは、GTT、GTG、GTA、GTGであることがわかる。
② ①で確認したコードで、1ヵ所塩基の異なる組合せを探し出す。 ①の結果より、1塩基置換型の変異が起こり、GluがValに変化する組合せは、GAA→GTA又はGAG→GTGの2種類であると考えられる。