薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 152
レニン−アンギオテンシン系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アドレナリンβ1受容体遮断薬は、レニン分泌量を減少させる。
2 アルドステロン受容体遮断薬は、レニン分泌量を減少させる。
3 アンギオテンシンⅡAT1受容体遮断薬は、アルドステロン分泌量を増加させる。
4 レニン阻害薬は、血中のアンギオテンシンⅠとアンギオテンシンⅡの量を減少させる。
5 アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、血中のブラジキニン量を減少させる。
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解答 1、4
レニン−アンギオテンシン系では、腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるレニンにより生成するアンギオテンシンⅠに、アンギオテンシンⅠ変換酵素(ACE)が作用することでアンギオテンシンⅡを生成し、アンギオテンシンⅡによる血管収縮作用や副腎皮質の球状層からのアルドステロン分泌促進作用などが現れる。その結果、血圧及び血中ナトリウム濃度が上昇する。
1 正
腎臓からのレニン分泌には、交感神経興奮を介したβ1受容体が関与する。そのため、プロプラノロールなどのβ1受容体遮断作用を有する薬物は、レニン分泌量を減少させる。
2 誤
アルドステロン受容体遮断薬がアルドステロンの作用と拮抗し、血中ナトリウム濃度が低下すると、レニン−アンギオテンシン系を亢進させるためにレニン分泌量が増加する。
3 誤
アンギオテンシンⅡによるアルドステロン分泌促進作用は、アンギオテンシンⅡAT1受容体を介して現れる。そのため、AT1受容体遮断薬は、アルドステロン分泌量を低下させる。なお、AT1受容体遮断薬には、ロサルタンなどがある。
4 正
レニン阻害薬は、血中アンギオテンシンⅠとアンギオテンシンⅡの量を減少させる。なお、レニン阻害薬としては、アリスキレンがある。
5 誤
アンギオテンシン変換酵素は、ブラジキニンの分解に関わるキニナーゼⅡと同一酵素である。そのため、アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、キニナーゼⅡを阻害しブラジキニンの分解を抑制し、血中ブラジキニン量を増加させる。なお、アンギオテンシン変換酵素阻害薬には、カプトプリルなどがある。
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