薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 164
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アバカビルは、HIVインテグラーゼを阻害して、HIVゲノムが宿主細胞ゲノムに組み込まれるのを妨げる。
2 マラビロクは、dGTPと拮抗してHIV−1の逆転写酵素を競合的に阻害する。
3 ネビラピンは、HIV−1の逆転写酵素の疎水ポケット部分に結合して酵素活性を阻害する。
4 ネルフィナビルは、HIVプロテアーゼを阻害して、HIV前駆体ポリタンパク質の切断を妨げる。
5 ラルテグラビルは、ウイルスDNAに取り込まれてDNA鎖伸長を停止させる。
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解答 3、4
1 誤
アバカビルは、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤であり、細胞内でリン酸化され生成したリン酸化体が、dGTPと競合しウイルスDNAに取り込まれ、HIV−1の逆転写酵素を阻害する。なお、HIVインテグラーゼを阻害する薬物としては、ラルテグラビル、ドルテグラビルがある。
2 誤
マラビロクは、HIVが免疫細胞内への侵入の際に結合するケモカイン受容体(CCR5)に選択的に結合し、HIVの細胞内への侵入を阻害する。
3 正
ネビラピンは、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤であり、核酸と競合せずにHIV−1の逆転写酵素の疎水ポケット部分に結合して酵素活性を阻害する。
4 正
ネルフィナビルは、プロテアーゼ阻害剤であり、HIVプロテアーゼを阻害して、HIV前駆体ポリタンパク質の切断を妨げることで、HIVウイルスの増殖を抑制する。
5 誤
ラルテグラビルは、HIVインテグラーゼを阻害して、HIVゲノムが宿主細胞ゲノムに組み込まれるのを妨げることで、HIVウイルスの増殖を抑制する。
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