薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 実践問題 - 問 300,301
54歳女性。数年前から関節リウマチを患い、整形外科でメトトレキサートカプセルによる治療を受けていた。患者が処方せんを薬局に持参した際、「今までの薬だけでは改善しないので、次回から飲み薬に加えて点滴する薬を新しく追加すると医師から言われた。」と薬剤師に話した。
問300(病態・薬物治療)
この患者に新しく追加される点滴薬として、考えられるのはどれか。2つ選べ。
1 オマリズマブ
2 アダリムマブ
3 リツキシマブ
4 インフリキシマブ
5 セツキシマブ
問301(実務)
この患者から、「その点滴する薬を使用する前に、検査をして確認することがあると医師に言われたが、何を検査するのか。」と質問された。対応した薬剤師の回答として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 リウマトイド因子
2 胸部レントゲン
3 血糖値
4 ヘモグロビン値
5 ツベルクリン反応
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問300 解答 解なし
選択肢の中で関節リウマチ患者に適応をもつ薬物としては、アダリムマブとインフリキシマブが該当する。このうち、点滴薬として用いられる薬物はインフリキシマブのみで、アダリムマブは皮下注射でのみ使用されることから、本設問では正答となる選択肢がインフリキシマブ1つのみであるため、国家試験では「解なし」として扱われた。なお、オマリズマブは気管支喘息の治療に、リツキシマブはCD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫の治療等に、セツキシマブはEGFR(上皮増殖因子受容体)陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんの治療等に用いられる。
問301 解答 2、5
アダリムマブ及びインフリキシマブの投与により結核を発症することがあり、死亡例も認められており、結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがある。そのため、胸部レントゲン検査及びツベルクリン反応検査などを実施し、結核感染の有無を確認する必要がある。
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