薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 100
陽イオン交換クロマトグラフィーによるアミノ酸の分析に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 陽イオン交換基としては、スルホ基や、カルボキシ基などが用いられる。
2 アルギニン、グルタミン酸、グリシンの分離を行ったとき、アルギニンが最初に溶出される。
3 移動相のイオン強度を低下させることで、保持された物質を溶出させることができる。
4 移動相のpHを上昇させることで、保持された物質を溶出させることができる。
5 溶出されたアミノ酸は、ニンヒドリン試薬を用いたポストカラム誘導体化法により、蛍光検出される。
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解答 1、4
1 正
陽イオン交換クロマトグラフィーでは、陽イオンを保持する官能基を有する固定相が用いられる。陽イオンを保持する官能基には、スルホ基(-SO3-)、カルボキシ基(-COO-)などがある。
2 誤
陽イオン交換クロマトグラフィーにより、アミノ酸の分離を行うと、酸性の強い(等電点の低い)アミノ酸から順に溶出される。よって、グルタミン酸(酸性アミノ酸)→グリシン(中性アミノ酸)→アルギニン(塩基性アミノ酸)の順に溶出される。
3 誤
移動相中に電解質を添加し、イオン強度を増大させると、イオン交換基上で試料イオンと移動相中のイオンが競合することにより、試料イオンは保持されにくくなる。よって、移動相のイオン強度を増大させることで、保持された物質を溶出させることができる。
4 正
pHの上昇に伴い、アミノ酸の帯電は正から負に変化する。よって、陽イオン交換クロマトグラフィーにおいて、移動相中のpHを上昇させると、アミノ酸は保持されにくくなり、溶出する。
5 誤
アミノ酸をニンヒドリン試薬を用いて誘導体化した化合物は、可視部で吸収極大波長を示すようになるため、吸光光度計により検出される。
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