薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 111
下図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 Aは、肝静脈である。
2 直腸下部からの静脈血の大部分は、Bを経て肝臓へ流入する。
3 Cは、交感神経系の興奮により弛緩し、副交感神経系の興奮により収縮する。
4 Dに存在するランゲルハンス島は外分泌腺であり、その周辺には内分泌腺が散在する。
5 Eには、C及びDからの分泌液の排出を調節するオッディ(Oddi)括約筋がある。
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解答 3、5
問題図中のAは固有肝動脈、Bは門脈、Cは胆のう、Dは膵臓、Eは大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)である。
1 誤
前記参照。肝臓は、下面から入る固有肝動脈(A)および門脈(B)の2種類の血管より血液供給を受ける。このうち肝臓へ流入する血液量は、門脈のほうが太く大きいため約70%を占め、残りの約30%を固有肝動脈が占める。
2 誤
一般に、胃や小腸、大腸などの消化管から流れてくる静脈血は、門脈(B)を経て肝臓に流入し、その後下大静脈に合流する。しかし、直腸下部から流れてくる静脈血は、門脈に入ることなく直接下大静脈に合流する。
3 正
胆のう(C)は自律神経およびホルモンであるコレシストキニンにより支配され、交感神経系の興奮により弛緩し、副交感神経系の興奮およびコレシストキニンにより収縮する。これにより、胆のう内で貯留・濃縮されている胆汁の分泌を調節する。
4 誤
膵臓(D)の主に膵尾部に存在するランゲルハンス島は内分泌腺の一種であり、血中に膵臓ホルモンであるグルカゴンやインスリンなどを分泌する。また、その周辺には外分泌腺も存在し、消化酵素を多く含む膵液を、膵管から総胆管を経て十二指腸に分泌している。
5 正
大十二指腸乳頭(E)の開口部周辺にはオッディ(Oddi)括約筋が存在し、総胆管から流れてくる胆汁および膵液の排出を調節している。
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