薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 185
42歳女性。健康診断で高血圧症を指摘されたため、内科を受診した。検査の結果、血清カリウムの低下、血漿レニン活性の低下、血漿アルドステロン濃度の上昇を認めた。さらに検査入院し、カテーテル検査にて両側副腎静脈より採血し、血漿アルドステロン濃度を測定したところ、片側のアルドステロン濃度の著明な上昇がみられた。他の生化学的検査値には異常を認めず、特記すべき家族歴もなかった。この患者の病側副腎摘出手術を行うまでの期間、高血圧症に対する治療薬について、医師より薬剤師に相談があった。提案すべき治療薬はどれか。1つ選べ。
1 トリクロルメチアジド
2 スピロノラクトン
3 アリスキレンフマル酸塩
4 バルサルタン
5 リシノプリル水和物
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 2
本患者は、高血圧症、血清カリウムの低下、血漿レニン活性の低下、片側のアルドステロン濃度の上昇より、アルドステロン産生腫瘍による原発性アルドステロン症であると考えられる。
本症では、アルドステロン産生腫瘍からのアルドステロンの過剰分泌により血清ナトリウム値の上昇と、それに伴う高血圧症、血清カリウム値の低下が起こる。また、過剰に分泌されたアルドステロンにより負のフィードバック機構が働き、レニンの分泌は低下する。
アルドステロン産生腫瘍による原発性アルドステロン症の治療の基本は病側副腎摘出手術治療薬であり、それまでの補助的治療薬として、過剰に分泌されたアルドステロンの作用を抑制するためにスピロノラクトンなどのアルドステロン拮抗薬が用いられる。
-
解説動画1 ( 19:36 )
-
※ この解説動画は 60 秒まで再生可能です
再生速度
|
|
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿