薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 実践問題 - 問 312,313
50代男性。いままで頭痛を感じたことはなかったが、しばらく前から違和感をおぼえ、妻が持っていたアセトアミノフェン(300 mg/1錠)を主成分とした一般用医薬品(第2類)を1週間前より服用している。1回1錠、1日2回服用し、症状は和らいではいるものの、いまだに軽度の頭痛を感じる。半月後には時間も取れるので受診するつもりだが、それまでの間、一般用医薬品で対応したいと思い、相談のため来局した。
問312(法規・制度・倫理)
図は男性が服用しているアセトアミノフェン製剤の直接の被包(外箱)を示したものである。図中の表示以外に記載が法令で義務付けられているのはどれか。2つ選べ。ただし、省略等の表示の特例の適用はないものとする。
1 「第2類医薬品」の文字
2 使用上の注意
3 保管上の注意
4 製造番号又は製造記号
5 価格
問313(実務)
薬剤師の対応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 このまま服用して、しばらく様子をみてください。
2 1日3回まで服用できるので、昼食後も服用してください。
3 安全性の高い医薬品なので、1回2錠に増量して服用してください。
4 半月後といわず、すぐに受診してください。
5 軽度の痛みなので、イブプロフェンを主成分とした一般用医薬品に変更してください。
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問312 解答 1、4
1 正
一般用医薬品及び要指導医薬品の直接の容器又は直接の被包には、原則として黒枠及び黒字をもって以下の記載が必要である。例外として、その直接の容器又は直接の被包の色と比較して明瞭に判読できない場合は、白枠の中に白字で記載することができる。
・第一類医薬品:「第1類医薬品」の文字
・指定第二類医薬品:「第 2 類医薬品」又は「第類医薬品」の文字
・第二類医薬品:「第2類医薬品」の文字
・第三類医薬品:「第3類医薬品」
・要指導医薬品:「要指導医薬品」
2 誤
「用法、用量その他使用及び取扱い上の注意」は、原則として、添付文書又はその容器若しくは被包に記載されていなければならない事項であり、添付文書に記載されていれば、その容器もしくは被包に記載されている必要はない。
3 誤
「保管上の注意」は「使用及び取扱い上の注意」に該当するため、原則として、添付文書又はその容器若しくは被包に記載されていなければならない事項であり、添付文書に記載されていれば、その容器もしくは被包に記載されている必要はない。
4 正
製造番号又は製造記号は、直接の容器又は直接の被包への記載事項である。なお、製造番号又は製造記号については、直接の容器又は直接の被包の記載面積が狭い場合(内容量10 mL以下のアンプル等)には省略が可能であるが、当該製品が生物由来製品の場合は省略できないこととされている。
5 誤
医薬品の価格は、直接の容器又は直接の被包への記載事項ではないため、記載義務はない。
問313 解答 4
本患者は、アセトアミノフェンを主成分とした一般用医薬品を1週間前より1回1錠、1日2回服用しているが、軽度の頭痛がいまだに生じている。症状が和らいでいるとはいえ、1週間服用しても症状が改善されていないことから、脳出血などによる2次性頭痛の可能性も考えられるため、医療機関の受診を勧める必要がある。そのため、本患者に対する薬剤師の対応として最も適切なのは、直ちに医療機関を受診するよう勧めることである。
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