薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 実践問題 - 問 342
50歳女性。関節リウマチの診断を受け、生物学的製剤の導入目的で入院した。入院前よりメトトレキサート、ジクロフェナクナトリウムを服用している。入院2日目の朝、薬剤師が病棟へ行くと、「吐き気が4、5日前からあり、食欲もない。」と訴えがあった。さらに薬剤師が尋ねると、下痢はしていないが便は黒っぽい、胸や肩、頭の痛みはないということであった。
薬剤師は副作用を疑い、直ちに担当医師に報告した。考えられる副作用として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
1 髄膜炎
2 再生不良性貧血
3 消化性潰瘍
4 偽膜性大腸炎
5 血小板減少症
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解答 3
本患者は、症状として「4、5日前からあり、食欲もない。」と訴えていることに加え、下痢はしていないが便は黒っぽいということから、処方薬であるジクロフェナクナトリウムによる副作用である消化性潰瘍を起こしている可能性が高い。
1 誤
髄膜炎では、症状として、発熱、頭痛、悪心・嘔吐などが現れることがある。本患者は、発熱及び頭の痛みを呈していないため、髄膜炎を起こしている可能性は低い。
2 誤
再生不良性貧血では、症状として、赤血球減少による貧血、白血球減少による感染症(咽頭痛、発熱)、血小板減少による出血傾向などが現れることがある。本患者は発熱を呈していないことに加え、血小板数が基準値範囲内(基準値:15〜35万/µL)であるため、再生不良性貧血を起こしている可能性は低い。
3 正
前記参照
4 誤
偽膜性大腸炎では、症状として、激しい腹痛、下痢、発熱などが現れることがある。本患者は発熱及び下痢を呈していないことから、偽膜性大腸炎を起こしている可能性は低い。
5 誤
血小板減少症では、症状として、血小板減少による出血傾向が現れることがある。本患者は血小板数が基準値範囲内(基準値:15〜35万/µL)であるため、血小板減少症を起こしている可能性は低い。
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