薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 必須問題 - 問 81
「患者の生活の質(quality of life)を改善するという明確な結果をもたらすためにとられる薬物療法を、責任をもって遂行すること」と定義される行動哲学を示す用語として正しいのはどれか。1つ選べ。
1 care plan
2 evidence−based medicine
3 narrative−based medicine
4 pharmaceutical care
5 problem−oriented system
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 4
1 誤
care plan(CP:ケア計画)とは、初期計画の1つである。CPは薬物療法及びそれに関する事項について介入するための計画のことである。
2 誤
evidence−based medicine(EBM:根拠に基づく医療)とは、利学的根拠に基づく医療のことである。EBMは、個々の患者において、その患者にとって最適な医療を行うために、曖昧な経験や直感に頼らず、根拠に基づいて医療・治療を選択し実践する方法論である。
3 誤
narrative−based medicine(NBM)とは、ナラティブに基づいた医療(物語りと対話に基づく医療)のことである。NBMは、患者が語る「病気になった理由」、「経緯」、「症状」、「病気についてどのように考えているか」といった物語から、患者が抱える問題を全人的に(身体面だけでなく、精神や心理状態、社会的立場などを含むあらゆる要素から)把握し、治療方法を考える医療のことである。
4 正
世界保健機関(WHO)ではpharmaceutical care(PC:ファーマシューティカルケア)を以下のように定義している。
薬剤師の活動の中心に患者の利益を据える行動哲学である。PCは、患者の保健及び生活の質(QOL)の向上のため、明確な治療効果を達成するとの目標をもって、薬物治療を施す際の薬剤師の姿勢、行動、関与、倫理、機能、知識、責務並びに技能に焦点をあてるものである。
5 誤
problem−oriented system(POS:問題志向型システム)とは、患者の医療上の問題点に焦点を当て、最善の方法で解決していく考え方である。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿