薬剤師国家試験 平成28年度 第101回 - 一般 理論問題 - 問 93
ある物質Aと、Aが重合してできた合成高分子PAがある。以下の記述の①、②の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。 A10 g及びPA10 gを、それぞれ1 Lの水に完全に溶解させた。A水溶液はPA水溶液より浸透圧が( ① )。次に、水のみを通す半透膜で隔てられた容器の左側にA水溶液をいれ、右側には液面が同じ高さになるようにPA水溶液をいれた。十分な時間が経過した後、観察したところ( ② )。
REC講師による詳細解説! 解説を表示
解答 4 ① 浸透圧πは以下の式より求めることができる。 π=c・R・T (c:溶質のモル濃度、R:気体定数、T:絶対温度) 上記の式より、浸透圧は、溶質のモル濃度に比例することから、A水溶液とPA水溶液の浸透圧の高低を調べるためには、A水溶液とPA水溶液の溶質のモル濃度を求める必要がある。 A10 gを1 L水に溶解していることから、A水溶液の溶質のモル濃度=10/(Aの分子量) mol/Lであり、PA10 gを1 L水に溶解していることから、PA水溶液の溶質のモル濃度=10/(PAの分子量) mol/Lである。また、PAはAの合成高分子であるため、(PAの分子量)>(Aの分子量)の関係が成立する。 これらのことから、A水溶液の溶質のモル濃度>PA水溶液の溶質のモル濃度となり、A水溶液はPA水溶液より浸透圧が「高い」といえる。 ② 浸透現象とは、濃度の異なる溶液を半透膜で仕切った場合、溶液の濃度を均一にしようと濃度の低い溶液から高い溶液へと溶媒分子が移動する現象のことである。①の解説より、PA水溶液に比べ、A水溶液のモル濃度が大きいことから、PA水溶液からA水溶液に水が浸透してくるため、「A水溶液の液面が高くなった」と考えられる。
解説動画1 ( 14:03 )
※ この解説動画は 60 秒まで再生可能です
再生速度
通常速度
1.1 倍速
1.2 倍速
1.3 倍速
1.4 倍速
1.5 倍速
1.6 倍速
1.7 倍速
1.8 倍速
1.9 倍速
2.0 倍速
この過去問解説ページの評価をお願いします!
評価を投稿