薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 137
水の浄化法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 普通沈殿-緩速ろ過は、我が国で最も利用されている浄化法である。
2 緩速ろ過は、水中の有機物の除去率において、急速ろ過に比べて劣る。
3 薬品沈殿とは、凝集剤として硫酸アルミニウムを添加することにより、負電荷を持つ汚濁粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させる方法である。
4 急速ろ過では、主に生物化学的作用により、ろ過を行う。
5 緩速ろ過、急速ろ過のいずれを用いても、我が国の水道水では塩素剤による消毒が義務付けられている。
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解答 3、5
1 誤
我が国の原水の浄化法として利用される沈殿とろ過の組合せとして、「普通沈殿-緩速ろ過」と「薬品沈殿-急速ろ過」がある。薬品沈殿-急速ろ過は、普通沈殿-緩速ろ過よりも短時間で水の処理を行うことができ、施設を建設するための土地が狭くて良いなどの理由から、我が国で最も利用されている浄化法である。
2 誤
緩速ろ過は、ろ材をゆっくり通水させる方法であり、ろ材表面に好気性微生物の膜が形成され、生物化学的に酸化が行われるため、有機物の除去率は高い。一方、急速ろ過は、生物膜が形成されないため、緩速ろ過と比べて有機物の除去率は劣る。
3 正
薬品沈殿は、原水中の浮遊物質を凝集剤の注入によって沈殿除去する方法であり、凝集剤として硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウムなどを用いる。これらの凝集剤は、原水中のアルカリ成分と反応して水酸化アルミニウムコロイドを生成し、原水中の負電荷を持つ汚濁粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させる。
4 誤
解説2参照
5 正
我が国の水道水では、塩素剤による消毒が義務づけられているため、緩速ろ過、急速ろ過のいずれを用いても塩素消毒を実施する必要がある。
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