薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 151
細胞膜受容体の細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アセチルコリンNM受容体(筋肉型ニコチン性アセチルコリン受容体)を刺激すると、イオンチャネルが開口し、終板電位が発生する。
2 ヒスタミンH1受容体を刺激すると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度が上昇する。
3 アドレナリンα2受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。
4 オピオイドκ受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。
5 セロトニン5−HT3受容体を刺激すると、イオンチャネルが開口し、抑制性シナプス後電位が発生する。
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解答 1、4
細胞膜受容体は、イオンチャネル内蔵型受容体、Gタンパク質共役型受容体、酵素共役型受容体に大別される。
1 正
アセチルコリンNM受容体(筋肉型ニコチン性アセチルコリン受容体)は、カチオンチャネル内蔵型受容体である。NM受容体を刺激すると、イオンチャネルが開口し、終板電位が発生する。
2 誤
ヒスタミンH1受容体は、Gqタンパク質共役型受容体である。H1受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、細胞内ジアシルグリセロール(DG)とイノシトール三リン酸(IP3)濃度が上昇する。
3 誤
アドレナリンα2受容体は、Giタンパク質共役型受容体である。α2受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。
4 正
オピオイドκ受容体は、Giタンパク質共役型受容体である。κ受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。
5 誤
セロトニン5−HT3受容体は、カチオンチャネル内蔵型受容体である。5−HT3受容体を刺激すると、イオンチャネルが開口し、終板電位が発生する。
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