薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 157
中枢神経疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ラモトリギンは、K+チャネルの活性化により神経細胞膜を過分極させ、抗てんかん作用を示す。
2 ガランタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して神経細胞内へのCa2+流入を抑制し、認知機能障害を改善する。
3 エンタカポンは、末梢におけるカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、レボドパの脳内移行量を増加させる。
4 フェニトインは、電位依存性L型Ca2+チャネルを選択的に遮断し、抗てんかん作用を示す。
5 タリペキソールは、ドパミンD2受容体を選択的に刺激し、錐体外路障害を改善する。
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解答 3、5
1 誤
ラモトリギンは、Na+チャネルを抑制することによって神経細胞膜の脱分極を抑制し、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することにより抗てんかん作用を示す。
2 誤
ガランタミンは、中枢性アセチルコリンエステラーゼを選択的に阻害することによって脳内アセチルコリン濃度を上昇させ、アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行を抑制する。なお、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して神経細胞内へのCa2+流入を抑制し、認知機能障害を改善する薬物は、メマンチンである。
3 正
エンタカポンは、末梢におけるカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、レボドパの脳内移行量を増加させるため、レボドパ製剤使用時のパーキンソン病における症状の日内変動の改善に用いられる。
4 誤
フェニトインは、主にNa+チャネルを抑制し、脳神経細胞内へのNa+流入を抑制することによって抗てんかん作用を示す。
5 正
タリペキソールは、ドパミンD2受容体刺激薬であり、線条体シナプス後膜のドパミンD2受容体を刺激することによって錐体外路障害を改善する。
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