薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 理論問題 - 問 163
抗アレルギー薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 オマリズマブは、B細胞におけるIgE産生を抑制する。
2 ケトチフェンは、トロンボキサン合成酵素を阻害する。
3 ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体を遮断する。
4 スプラタストは、IgEに結合し、肥満細胞からのケミカルメディエーターの遊離を抑制する。
5 プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断する。
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解答 3、5
1 誤
オマリズマブは、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体であり、IgEと高親和性受容体(FcεRI)の結合を阻害することで、好塩基球、肥満細胞等の炎症細胞の活性化を抑制するため、気管支喘息や慢性蕁麻疹の治療に用いられる。IgEと結合するため、血清中遊離IgE濃度は減少させるが、IgEの産生を抑制するわけではない。なお、B細胞におけるIgE産生を抑制するのは、スプラタストである。
2 誤
ケトチフェンは、ヒスタミンH1受容体遮断作用と肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離抑制作用を併せもつため、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの治療に用いられる。なお、トロンボキサン合成酵素を阻害するのは、オザグレルである。
3 正
ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体(TXA2受容体)遮断作用をもち、血管透過性亢進を抑制し、鼻腔抵抗上昇を抑制するため、アレルギー性鼻炎の治療に用いられる。
4 誤
スプラタストは、ヘルパーT細胞からのインターロイキン-4やインターロイキン-5の産生を抑制し、IgE抗体産生抑制作用、好酸球浸潤抑制作用を示すため、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの治療に用いられる。なお、IgEに結合し、肥満細胞からのケミカルメディエーターの遊離を抑制するのは、オマリズマブである。
5 正
プランルカストは、細胞膜受容体であるロイコトリエン受容体を遮断することで、ロイコトリエンによる気管支収縮作用や炎症反応を抑制するため、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療に用いられる。
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