薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 実践問題 - 問 320,321
下記の医薬品を卸売販売業者の担当者が納品に来たので、薬剤師が薬局のカウンターにおいて検収を行った。なお、薬局は、向精神営業者に関して別段の申し出はしていないものとする。
問320(実務)
薬局における検収関連業務のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。
1 伝票に記載されている納品先を確認した。
2 納品された医薬品の使用期限を確認した。
3 同じ医薬品を複数購入時、製造番号が異なるものが含まれていたが受け取った。
4 法律に定められた譲受証を必要とするものはなかったので交付しなかった。
5 納品を終了した医薬品をカウンターの上に置いて、3時間後の昼休みに収納した。
問321(法規・制度・倫理)
検収した医薬品のその後の取扱いに関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。
1 検収した医薬品を、麻薬を保管している金庫に入れた。
2 要指導医薬品を来局者の手に取りやすい場所に陳列した。
3 毒薬に相当する医薬品を無施錠で陳列した。
4 過剰在庫となった向精神薬を向精神薬卸売業者に返品した。
5 親に頼まれて来局した小学生に毒薬を販売した。
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問320 解答 4、5
本問の医薬品の規制区分は以下の表の通りである。
1 適切
伝票に記載されている納品先を確認することは適切である。検収時に確認する項目を以下に示す。
①納入指定日、納品先薬局名
②医薬品名、剤形、規格、包装単位、納品された個数
③有効期限、使用期限
④製造年月日、製造番号(ロット番号)
⑤流通過程における保存状況、破損の有無
⑥保存方法
2 適切
解説1参照
3 適切
製造番号が異なっていても特に問題はないため、通常通り製造番号を確認し納入する。
4 不適切
セレギリン塩酸塩錠は覚せい剤原料に指定されているため、法律に定められた譲渡証・譲受証の交換が必要である。
5 不適切
納品を終了した医薬品を長時間放置すると、盗難などの原因となる。そのため、納品を終了した医薬品はできるだけ速やかに所定の場所に収納する必要がある。
問321 解答 4
1 誤
麻薬を保管している金庫には、麻薬以外の医薬品(覚せい剤を除く)を保管してはならない。本問の医薬品には麻薬、覚せい剤に指定されているものはない(前問参照)。
2 誤
要指導医薬品を来局者の手に取りやすい場所に陳列してはならない。要指導医薬品を販売するにあたっては構造設備について以下の基準が定められている。
・要指導医薬品を陳列するために必要な陳列棚その他の設備を有すること。
・要指導医薬品を陳列する設備から1.2メートル以内の範囲(要指導医薬品陳列区画)に購入者等が進入できないような措置が講じられていること。ただし、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合等は、この限りではない。
・開店時間中に要指導医薬品を販売しない時間がある場合は、要指導医薬品陳列区画を閉鎖することができること。
3 誤
毒薬に相当する医薬品(本問ではアミオダロン塩酸塩錠が該当)は、他の物と区別して、貯蔵又は陳列し、かぎを施さなければならない。
4 正
向精神薬小売業者は、原則として、向精神薬処方せんを所持する者以外の者に向精神薬を譲り渡してはならない。ただし、向精神薬営業者から譲り受けた向精神薬を返品する場合は、この限りではない。なお、麻薬は過剰在庫などを理由に安易に返品することができない。
5 誤
毒薬又は劇薬は、14歳未満の者その他安全な取扱いをすることについて不安があると認められる者には、交付してはならない。
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