薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 一般 実践問題 - 問 341
48歳女性。非小細胞肺がん。以下の処方せんをかかりつけ薬局に持参した。
この患者の処方せんと薬歴情報について正しいのはどれか。2つ選べ。
1 今回の処方薬は、他の化学療法施行後に開始された薬剤である。
2 血小板減少による発熱が出現していた可能性がある。
3 息切れ、咳などのかぜのような症状が出ても自然におさまることを伝える。
4 発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝える。
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解答 1、4
1 正
エルロチニブ塩酸塩はEGFRチロシンキナーゼ阻害薬であり、切除不能な再発・進行性で化学療法施行後に増悪した非小細胞肺がんや、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性の非小細胞肺がんの治療に用いられる。本患者は処方2の薬剤が3週間毎に処方されていたことから、これまでがん化学療法における骨髄抑制による白血球減少及び感染症への対処を行なっていたと考えられる。よって、今回の処方薬は、他の化学療法施行後に開始された薬剤であると推測される。
2 誤
本患者は処方2より、白血球減少による発熱が出現していた可能性がある(解説1参照)。
3 誤
エルロチニブ塩酸塩服用中に、息切れ、咳、発熱などのかぜの様な症状がでた場合、重大な副作用である間質性肺炎を起こしている可能性があるため、そのような場合には医療機関を受診するよう指導する。
4 正
エルロチニブ塩酸塩は、重大な副作用として発疹、皮膚の乾燥やかゆみ、ニキビのような発疹、皮膚のひび割れなどの皮膚障害があらわれることがあるため、そのような場合には医療機関を受診するよう指導する。
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