薬剤師国家試験 平成29年度 第102回 - 必須問題 - 問 69
ある病院で新たに降圧薬Aを採用することになった。そこで薬剤師Xは当該病院において、高血圧患者にAを投与した場合と投与しない場合との間で、消化器症状の発現率に差があるかを観察・調査する研究を計画した。なお、高血圧患者にAを投与するか否かは、それぞれの主治医による薬物治療上の判断に基づき、薬剤師Xは介入しないものとした。
この研究に該当するのはどれか。1つ選べ。
1 randomized controlled trial
2 prospective cohort study
3 retrospective cohort study
4 case-control study
5 meta-analysis
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解答 2
1 誤
randomized controlled trial(ランダム化比較試験)は、被験者の選択をする抽出と、被験者を介入群と対照群に振り分ける割付を無作為に行う試験である。本研究は、薬剤師Xは介入しない観察研究なので、被験者の選択などを行う介入研究の一種であるランダム化比較試験には該当しない。
2 正
prospective cohort study(前向きコホート研究)は、要因曝露群(降圧薬Aを投与した群)と非曝露群(降圧薬Aを投与しない群)に分類し、研究開始時点から将来にかけて病気の発現状況を観察・調査する研究であり、本研究はこれに該当する。
3 誤
retrospective cohort study(後ろ向きコホート研究)は、過去に記録された要因情報に基づいて要因曝露群と非曝露群に分類する研究である。本研究は、消化器症状の発現率に差があるかを観察・調査する研究を計画しているので、過去の記録を用いる後ろ向きコホート研究には該当しない。
4 誤
case-control study(症例対照研究)は、すでに病気を発症している群と発症していない群について、過去における要因の有無を調べることにより関連性があるかを調べる研究である。本研究は、過去の要因を見ていないので症例対照研究には該当しない。
5 誤
meta-analysis(メタアナリシス)は、過去に独立して行われた複数の研究データを統合し、よりエビデンスの高い結果を導き出す統計学的手法である。本研究は、単独の研究であるためメタアナリシスには該当しない。
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