薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 114
ヒトにおけるプリンヌクレオチドの分解過程に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アデノシンをイノシンに変換する酵素の遺伝的欠損により、免疫不全が生じる。
2 イノシンをヒポキサンチンに変換する過程で、ATPが消費される。
3 グアノシン一リン酸(GMP)は、ヒポキサンチンを経てキサンチンに代謝される。
4 キサンチンが尿酸に変換される過程で、過酸化水素が生成される。
5 尿酸は、二酸化炭素とアンモニアに分解されて排泄される。
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解答 1、4
1 正
アデノシンをイノシンに変換する酵素はアデノシンデアミナーゼであり、この酵素が遺伝的に欠損すると、アデノシンやデオキシアデノシン及びそのリン酸化体が蓄積する。これにより、胸腺でのT細胞の分化・増殖が阻害され、免疫不全が生じ、重篤な感染症が引き起こされやすくなる。
2 誤
イノシンをヒポキサンチンに変換する反応は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼにより触媒される加リン酸分解反応である。一般に、加リン酸分解反応ではATPは消費されず、無機リン酸を用いて反応が進行する。
3 誤
グアノシン一リン酸(GMP)は、ヒポキサンチンを経ず、キサンチンに代謝される。なお、アデノシン一リン酸(AMP)は、ヒポキサンチンを経てキサンチンに代謝される。
4 正
キサンチンが尿酸に変換される反応は、キサンチンオキシダーゼにより触媒される酸化反応であり、この反応では過酸化水素(H2O2)が生成する。
5 負
ヒトにおけるプリンヌクレオチドの最終代謝産物は尿酸であり、尿酸はその後分解されることなく尿中に排泄される。なお、ピリミジンヌクレオチドは、二酸化炭素やアンモニアなどに分解され、このうちアンモニアは肝臓において尿素サイクルにより尿素に代謝されて尿中排泄される。
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