薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 148
新薬Aと既存薬Bの費用と効果に関する調査を行い、表に示す結果を得た。費用効用分析により求められる既存薬Bに対する新薬Aの増分費用効果比(ICER)として、正しい値(万円/QALY)はどれか。1つ選べ。
1 100
2 200
3 250
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解答 5
費用効用分析とは、効果(生存年数など)とQOLの両方を考慮した質調整生存年(QALY:Quality Adjusted Life Year)と呼ばれる指標を用いて、費用を評価する分析法である。
質調整生存年(QALY)は、想像できる最も健康な状態を1とし、死亡を0としてある病態のQOLを効用値として0〜1でスコア化し、これに生存年数を乗じることにより求められる。
増分費用効果比(ICER:Incremental Cost Effectiveness Ratio)は、既存薬から新薬に切り替える際に、「どれくらいの費用を追加すれば、どの程度の追加的な効用が得られるか」を表す指標であり、(新薬と既存薬の費用の差)/(新薬と既存薬の効用値の差)で求められる。
本問では、新薬Aの費用は3000万円で効用は10 QALY、既存薬Bの費用は2000万円で効用は8QALYであることから、
ICER=(3000万円−2000万円)/(10 QALY−8QALY)=1000万円/2QALY=500万円/QALY
したがって、ICERは500万円/QALYと求められる。
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