薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 159
播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アンチトロンビンⅢは、ヘパリン存在下で血液凝固第Ⅹa因子とトロンビンを阻害する。
2 トロンボモデュリン アルファは、トロンビン依存的に活性化プロテインCの産生を促進する。
3 ダルテパリンは、アンチトロンビン非依存的に血液凝固第Ⅹa因子を阻害する。
4 ダナパロイドは、血液凝固第Ⅹa因子を阻害することなく、トロンビンを阻害する。
5 ナファモスタットは、プラスミンを阻害することなく、トロンビンを阻害する。
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解答 1、2
1 正
アンチトロンビンⅢは、ヘパリン存在下で血液凝固第Ⅹa因子とトロンビン(第Ⅱa因子)の他、第Ⅸa因子、第Ⅺa因子、第Ⅻa因子等と複合体を形成することで、血液凝固を抑制する。
2 正
トロンボモデュリン アルファは、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する。生成した活性化プロテインCは、血液凝固第Ⅴa因子、第Ⅷa因子を不活化することによってトロンビンの生成を阻害し、血液凝固を抑制する。
3 誤
ダルテパリンは、低分子ヘパリン製剤であり、アンチトロンビンⅢに結合し(アンチトロンビンⅢ依存的に)、血液凝固第Ⅹa因子を選択的に阻害することで、血液凝固を抑制する。
4 誤
ダナパロイドは、アンチトロンビンⅢに結合し、血液凝固第Ⅹa因子を選択的に阻害することで、血液凝固を抑制する。ダナパロイドは、トロンビン(第Ⅱa因子)よりも第Ⅹa因子を強く阻害する。
5 誤
ナファモスタットは、タンパク質分解酵素阻害薬であり、トロンビン、プラスミンなど様々なタンパク質分解酵素を阻害するため、トロンビンが関与する血液凝固だけでなく、プラスミンが関与する線維素溶解系も抑制する。
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