薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 160
非ステロイド性抗炎症薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アスピリンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)のセリン残基をメチル化し、酵素活性を不可逆的に阻害する。
2 チアラミドは、COX-1とCOX-2に対して強い阻害作用を示し、鎮痛作用や抗炎症作用を示す。
3 ロキソプロフェンは、プロドラッグであり、アスピリンと比較して消化管障害を起こしにくい。
4 インドメタシンは、プロスタグランジンE2の産生を抑制することで炎症による体温上昇を抑制する。
5 ジクロフェナクは、COXをほとんど阻害することなく、鎮痛作用や抗炎症作用を示す。
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解答 3、4
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、酸性NSAIDsと塩基性NSAIDsに大別され、シクロオキシゲナーゼ(COX)に対する作用は酸性NSAIDsと塩基性NSAIDsで大きく異なる。酸性NSAIDsはCOXを阻害することで抗炎症作用を示すが、塩基性NSAIDsはCOX阻害作用が極めて弱く、その他の機序で抗炎症作用を示す。
1 誤
アスピリンは酸性NSAIDsであり、COXのセリン残基をアセチル化し、酵素活性を不可逆的に阻害する。
2 誤
チアラミドは塩基性NSAIDsであり、詳細な作用機序は明らかではないが、COX阻害作用が極めて弱いとされ、その他の機序で鎮痛作用や抗炎症作用を示すと考えられている。
3 正
ロキソプロフェンは酸性NSAIDsであり、COXを阻害することで抗炎症作用を示すが、副作用として消化管障害を起こすことがある。しかし、ロキソプロフェンはプロドラッグ化されており、消化管から吸収されたあとに、肝臓などで活性代謝物に変換され作用するため、アスピリンなどと比較すると消化管障害を起こしにくい。
4 正
インドメタシンは酸性NSAIDsであり、COXを阻害しプロスタグランジンE2の産生を抑制することで、炎症による体温上昇を抑制する。
5 誤
ジクロフェナクは酸性NSAIDsであり、COXを阻害しプロスタグランジンE2の産生を抑制することで、鎮痛作用や抗炎症作用を示す。
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