薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 162
抗ウイルス薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 アマンタジンは、ノイラミニダーゼを阻害することでインフルエンザウイルスの感染細胞からの遊離を抑制する。
2 インジナビルは、HIVプロテアーゼを特異的に阻害することでHIVの増殖を抑制する。
3 ラルテグラビルは、インテグラーゼを阻害することでHIVの複製を抑制する。
4 ラミブジンは、CCR5ケモカイン受容体を遮断することでHIV感染を抑制する。
5 エンテカビルは、チミジンキナーゼによって活性型に変換され、ヘルペスウイルスのDNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する。
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解答 2、3
1 誤
アマンタジンは、A型インフルエンザウイルスのM2イオンチャネルを阻害することによって感染細胞内での脱殻を阻害する。なお、ノイラミニダーゼを阻害することでインフルエンザウイルスの感染細胞からの遊離を抑制する薬物には、オセルタミビルなどのノイラミニダーゼ阻害薬がある。
2 正
インジナビルは、HIVの増殖に必要なプロテアーゼを競合的に阻害することで、ウイルス構成タンパク質の産生を抑制し、HIVの増殖を抑制する。
3 正
ラルテグラビルは、HIVインテグラーゼを阻害して、HIVゲノムが宿主細胞ゲノムに組み込まれるのを妨げることで、HIVウイルスの増殖を抑制する。
4 誤
ラミブジンは、感染細胞内でリン酸化を受けて活性化され、HIVの増殖に必要な逆転写酵素を競合的に阻害する。なお、 CCR5ケモカイン受容体を遮断することでHIV感染を抑制する薬物には、マラビロクがある。
5 誤
エンテカビルは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染細胞内でリン酸化され、DNAポリメラーゼを競合的に阻害することによりHBVの増殖を抑制する。なお、チミジンキナーゼによって活性型に変換され、ヘルペスウイルスのDNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬物には、アシクロビルなどがある。
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