薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 179
薬物とその効果等を向上させる目的及び目的を達成するために実用化されている薬物送達システム(DDS)の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。

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解答 3、4
1 誤
アルプロスタジルは、血管病変部位へ薬物を送達させることを目的に、リピッドマイクロスフェア製剤として利用されている。リピッドマイクロスフェアは、ダイズ油及び精製卵黄レシチンからなる脂肪乳剤であり、炎症組織や血管病変部位への集積性がある。アルプロスタジルをリピッドマイクロスフェアに封入することで、血管病変部位への選択性を向上させ、慢性動脈閉塞症などの治療に用いられている。
2 誤
チモロールマレイン酸塩は、角膜表面での滞留性向上を目的に、ジェランガムや、メチルセルロースを添加することで点眼剤として利用されている。ジェランガムは、涙液中のナトリウムイオンと反応することでゲル化し、メチルセルロースは、温度上昇によりゲル化する。チモロールマレイン酸塩点眼液は、ジェランガムやメチルセルロースを添加することで、角膜表面での滞留性を向上させ、薬効を持続化させることで、緑内障などの治療に用いられている。
3 正
硝酸イソソルビドは、有効血中濃度の持続化を目的に、経皮吸収型治療システム製剤として利用されている。硝酸イソソルビド貼付剤は、硝酸イソソルビド分子を膏体中に分散・共存させ、膏体中から薬物を持続的に放出し、経皮から吸収させ、有効血中濃度を一定に維持することで、狭心症の発症予防に用いられている。
4 正
ドキソルビシン塩酸塩は、がん病変部へ薬物を集積させることを目的に、リポソーム製剤として利用されている。ドキソルビシン塩酸塩をリポソームの内水相に封入することで、がん病変部位などの腫瘍組織への選択的な移行性を向上させ、抗腫瘍薬として用いられている。
5 誤
プロポフォールは、ほとんど水に溶けないため、ダイズ油及び精製卵黄レシチンからなる脂肪乳剤(リピッドマイクロスフェア)に溶解させ、溶解性を向上させることで静脈内注射剤として用いられている。
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