薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 189
76歳女性。長期入院中。ベッド接触面の皮膚に、圧迫しても消退しない限定的な発赤ができている。本患者に対する治療として提案すべきことはどれか。2つ選べ。
1 精製白糖・ポビドンヨードによる創面保護
2 積極的な体位変換
3 トリアゾラムの服用
4 湿潤を保つためのドレッシング剤の使用
5 栄養状態の改善
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解答 2、5
本患者は長期入院中で、「ベッド接触面の皮膚に、圧迫しても消退しない限定的な発赤ができている」とあることから、軽度の褥瘡であると考えられる。
褥瘡は、長期臥床などにより皮膚が持続的に圧迫されて末梢血管が閉塞することにより、皮膚に栄養・代謝障害が生じた結果、その部位に発赤・潰瘍・壊死が形成されるものである。
1 誤
精製白糖・ポビドンヨードは、精製白糖の基剤のマクロゴール軟膏による滲出液の吸収や、ポビドンヨードによる殺菌作用などを目的として用いられる。本患者は限定的な発赤ができているだけで、滲出液の多い感染創は見られないため、精製白糖・ポビドンヨードの使用は提案すべきはない。
2 正
体位変換などの除圧は、褥瘡の予防と治療に有効であるため、積極的に行うよう提案すべきである。
3 誤
トリアゾラムなどのベンゾジアゼピン系催眠薬の服用は、筋弛緩作用による薬剤誘発性褥瘡の原因となるため提案すべきではない。
4 誤
ドレッシング剤は、創面保護や、乾燥した創への湿潤形成とその維持などを目的として用いられる。本患者は発赤程度の軽度の褥瘡であり、創面保護のためにドレッシング剤を用いることはあるが、湿潤を保つ目的では用いられない。
5 正
栄養状態の低下は、皮膚や筋肉のタンパク不足などを引き起こすことにより褥瘡のリスクファクターになるため、適切な栄養の供給が必要となる。
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