薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 189
新生児及び小児の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 新生児に対するクロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射液の投与は、禁忌である。
2 新生児に対するスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合顆粒の投与は、禁忌である。
3 フェノバルビタールの消化管吸収率は、小児よりも新生児のほうが高い。
4 カルバマゼピンの血中からの消失半減期は、成人よりも小児のほうが長い。
5 小児の細菌性肺炎に対する第一選択薬として、ミノサイクリン塩酸塩顆粒が用いられる。
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解答 1、2
1 正
クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射液を低出生体重児・新生児に投与すると、グレイ症候群(腹部膨張に始まる嘔吐、下痢、皮膚蒼白、虚脱、呼吸停止など)があらわれることがあるため、投与禁忌である。
2 正
スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合顆粒を低出生体重児・新生児に投与すると、高ビリルビン血症を起こすことがあるため、投与禁忌である。
3 誤
新生児は小児に比べ、胃酸分泌量が少なく消化管内pHが高いため、フェノバルビタールのような酸性薬物の消化管吸収率は低下する。
4 誤
成人に対して小児では、体重あたりの肝重量が大きいため代謝活性が高い。そのためカルバマゼピンの肝クリアランスが大きくなるため、消失半減期は成人よりも小児の方が短い。
5 誤
小児の細菌性肺炎の第一選択薬は、ペニシリン系およびセフェム系抗菌薬が第一選択である。なお、テトラサイクリン系抗菌薬は、副作用として歯への色素沈着作用を有するため、歯の成長過程にある小児への投与は推奨されない。
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