薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 理論問題 - 問 122
ビタミン及びミネラルの欠乏症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 妊娠初期における葉酸欠乏は、胎児の神経管閉鎖障害の原因となる。
2 過剰なアルコール摂取によるビタミンB6欠乏は、ウェルニッケ脳症の原因となる。
3 マグネシウム欠乏は、下痢の原因となる。
4 ナイアシン欠乏は、壊血病の原因となる。
5 亜鉛欠乏は、味覚障害の原因となる。
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解答 1、5
1 正
妊娠初期における葉酸欠乏は、胎児の神経管閉鎖障害を引き起こす原因となる。葉酸は、アミノ酸代謝、プリン塩基やピリミジン塩基などの核酸合成に関与している。そのため、葉酸の欠乏は核酸合成に影響し、最も影響を受けやすい造血器の異常から巨赤芽球性貧血が起こる。また、葉酸の欠乏により、メチオニンシンターゼが阻害されると、血液中のホモシステイン濃度が増加し、心疾患をはじめとする各種疾患のリスクが増加する。さらに、葉酸の摂取は胎児の正常な発育に寄与しており、妊娠初期の葉酸の欠乏は神経管閉鎖障害の発症リスクを高める。
2 誤
過剰なアルコール摂取による欠乏し、ウェルニッケ脳症を引き起こす原因となるビタミンは、ビタミンB1である。なお、ウェルニッケ脳症の症状として、意識障害、眼球運動障害、小脳失調などがある。
3 誤
マグネシウムを過剰摂取は、下痢などの消化器障害を引き起こす原因となる。なお、マグネシウムの欠乏は、食欲不振、悪心、嘔吐、嗜眠、筋力低下、テタニーなどの低マグネシウム血症を引き起こす原因となる。
4 誤
欠乏により壊血病を引き起こす原因となるビタミンはビタミンCである。なお、ナイアシンの欠乏はペラグラを引き起こす原因となる。
5 正
亜鉛の欠乏は、味覚障害、皮膚炎、褥瘡、食欲低下、脱毛、発育障害、性腺機能不全症などの原因となる。
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