薬剤師国家試験 令和02年度 第105回 - 一般 実践問題 - 問 328
86歳男性。脳梗塞のため在宅療養中である。薬剤師が訪問した際、仙骨部に褥瘡があることがわかった。褥瘡の状態は、滲出液を伴う赤色肉芽(赤色期)が主で、壊死組織(黄色期)はわずかであった。薬剤師が医師に処方提案する医薬品として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 酸化亜鉛軟膏
2 スルファジアジン銀クリーム
3 精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏
4 アルプロスタジルアルファデクス軟膏
5 ジメチルイソプロピルアズレン軟膏
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解答 3
本設問の患者の褥瘡の状態は、滲出液を伴う赤色肉芽(赤色期)が主であるため、滲出液の吸収と肉芽形成の促進作用のある精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏を提案することが適切である。
1 誤
酸化亜鉛軟膏は、油脂性基剤を用いており、創傷部の消炎・保護に用いられる。本剤は、滲出液の吸収や肉芽形成作用はないため、処方提案としては不適切である。
2 誤
スルファジアジン銀クリームは、乳剤性基剤(O/W型)を用いており、含有する銀により抗菌作用を有する。本剤は、滲出液の吸収や肉芽形成作用はないため、処方提案としては不適切である。
3 正
精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏は、水溶性基剤を用いており、含有する精製白糖により肉芽形成作用を有する。本剤は、肉芽形成作用と水溶性基剤による滲出液の吸収作用があるため、処方提案としては適切である。また、本剤は、含有するポビドンヨードにより殺菌作用を有しており、滲出液の増加に伴う微生物の繁殖を防ぐ感染制御の目的でも処方提案として適切であると考えられる。
4 誤
アルプロスタジルアルファデクス軟膏は、油脂性基剤を用いており、局所循環改善作用と肉芽・上皮形成作用を有する。本剤は、肉芽形成作用を有するが、油脂性基剤に滲出液の吸収作用はないため、処方提案としては不適切である。
5 誤
ジメチルイソプロピルアズレン軟膏は、油脂性基剤を用いており、抗炎症作用を有する。本剤は、滲出液の吸収や肉芽形成作用はないため、処方提案としては不適切である。
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